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X線観測で確立する活動銀河核セントラルエンジンの描像 X-ray studies of Central Engine in Active Galactic Nuclei
Thursday 5 Jun 2014, 15:00
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16:00
Asia/Tokyo
RIBF Bldg. 2F, Room 203 (RIKEN Wako)
RIBF Bldg. 2F, Room 203
RIKEN Wako
Description
============================================================ 第140回 「高エネルギー宇宙物理研究室 知の共有ゼミ」 のご案内 ============================================================ 日時 : 2014年6月5日 (木曜日) 15:00から 会場 : RIBF棟会議室203号室 講師 : 野田博文(玉川高エネルギー宇宙物理研究室) Hirofumi Noda (High Energy Astrophysics Lab.) 題目 : X線観測で確立する活動銀河核セントラルエンジンの描像 X-ray studies of Central Engine in Active Galactic Nuclei 概要 : 活動銀河核(AGN)からの一次X線は、超巨大ブラックホール(BH)近傍のコロナで、降着円盤の黒体放射である可視光光子が逆コンプトン散乱を受け生じると考えられる。 これまでの多くの研究では、この一次X線は単領域のコロナで生じ、一種類しか存在しないと仮定されてきたが (e.g., Faian and Miniutti 2005)、観測的な検証はほとんど行われず、降着円盤-コロナの機構、すなわちAGNエンジンの描像には大きな不定性が残っていた。 我々は、時間変動を利用して、信号を仮定に依らずに成分に分解する手法を開発し、「すざく」の高品質なAGN公開データに系統的に適用した。その結果、AGNからのX線は一般に、複数の一次成分を含むことを突き止め、AGN が異なる複数の種類のコロナで構成された、いわば「ハイブリッド型エンジン」を持つことを世界で初めて明らかにした (野田他2011; 2013; 野田博士論文 2013年 東京大学)。現在、この新たな描像において、降着円盤の周辺に複数のコロナがどう分布しているのかを明らかにすべく、「すざく」と日本の複数の地上望遠鏡を組み合わせた、X線--可視光の同時観測を行っている。
知の共有ゼミ