核子、ハドロンの内部構造をクォーク・グルーオン描像として理解するためには、高エネルギーQCDに基づく多くの理論的、実験的な方法があり、近年も発展が続いています。原子核も含めた3次元的な内部構造を研究、理解することは重要課題であり、QCDの多様性、クォーク・グルーオン描像の原理的な理解、高エネルギー陽子衝突、原子核衝突の始状態、終状態の理解に対しても大きな影響があります。これらの研究の将来の発展のため、定期的に勉強会を開催しています。
今回の勉強会では、高エネルギーの光子ビームや陽子ビームを重陽子やヘリウムといった軽い原子核標的に入射させた反応過程について議論します。この議題は2024年12月の勉強会でも議論された核内の短距離核子相関 (EMC効果) と関連しますが、今回はより反応過程に焦点を当てた議論を行います。EMC効果やエキゾチックハドロン生成についてはJLab (Thomas Jefferson National Accelerator Facility)やEIC (Electron-Ion Collider)によって調べられる中心的な話題となります。