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第130回「知の共有ゼミ」

Asia/Tokyo
RIBF棟会議室203号室

RIBF棟会議室203号室

Description
第130回 「高エネルギー宇宙物理研究室 知の共有ゼミ」 のご案内 日時 : 2012年 10月 25日 (木曜日) 15:00から 会場 : RIBF棟会議室203号室 講師 : 内山 秀樹(東京大学 理学系研究科 物理学専攻) Hideki Uchiyama (Department of Physics, The University of Tokyo) 題目 : 今さら、天の川銀河リッジX線放射? (Suzaku study of the Galactic Ridge X-ray Emission -It's NOT a big fat duh YET!-) 概要 : 天の川銀河面は、高階電離重元素からの強いKα輝線を特徴とする広がったX線を 放射している。これは天の川銀河リッジX線放射と呼ばれ、その正体 はX線天文 学の黎明以来の大きな謎であった。近年、Revnivtsevらが、Chandra衛星の長時 間観測データを用いて、銀河面から約 600光年離れた領域のリッジ放射中の高階 電離鉄輝線のほぼ全てを点源に分解した。以来、リッジ放射は実際には広がった 放射ではなく、空間分解で きないほど暗い、多数のX線点源(白色矮星連星など) の集まりであり、リッジ放射に関する謎はほぼ解明されたと一般には思われてい る。  しかし、「すざく」衛星の高S/N比で豊富な銀河面のデータは、これまで知ら れていなかったリッジ放射の新たな性質、特にそのスペクトルの空間 依存性を 明らかにしてきた。そのいくつかは、リッジ放射が「単純な」X線点源の集まり と考えたのは説明できず、銀河内で場所に依ってその構成種族 が異なるか、あ るいは、点源以外の成分が存在することを要求する。  今回のセミナーでは、これら「すざく」衛星が発見した天の川リッジX線放射 の新たな特徴を紹介する。「今さら」と思われているリッジ放射研究に 「まだ まだ」謎が残っていることをお伝えしたい。