Kbar N 相互作用は閾値下に Lambda(1405) 共鳴が存在することから強い
引力であり、K 中間子原子核を構成する基本相互作用と考えられている。
また、近年様々な生成反応によって pi Sigma 質量分布スペクトルが観測
されており、Lambda(1405) の構造をはじめ、近傍の Sigma* 共鳴を含めた
S=-1 メソンバリオン散乱の包括的な理解が求められている。本講演では
SIDDHARTAによるK 中間子水素精密測定のデータを用いた現実的 Kbar N 相互
作用の構築と、Lambda(1405) 共鳴の構造、KNシグマ項について議論する。