Seminars

放射線の生体影響・・・メガマウス実験での検証(坂東昌子)

Asia/Tokyo
Main Reserch Bldg. 5F 535,537 (Meeting Room) (RIKEN Wako)

Main Reserch Bldg. 5F 535,537 (Meeting Room)

RIKEN Wako

Description
------------------ 日時 : 5月14日(火) 15:00-16:00 講演者:  坂東昌子 NPO法人知的人材ネットワークあいんしゅたいん付置機関        基礎科学研究所長兼研究員 演題:   放射線の生体影響・・・メガマウス実験での検証 場所:  理化学研究所 研究本館 5F会議室(535,537)  言語:    日本語  主催研究室: 山崎原子物理研究室 ―――――――――― 梗概: 低線量放射線の影響については、様々な説が氾濫しているが、実験条件や遺伝的背景も様々な生物が相手なので複雑に絡み合ってなかなか定量的になっていない。放射線生物学の台頭期、1955年にでた、D.E.Leaの標的説は、定量化への突破口を開いた。リーは原子学物理を専攻しこの分野を始めたということだ。この説に魅せられた放射線生物学者も多かったという。しかし、その後明らかになった修復などの機能を考慮するところまでは行かず、物理的過程の定式化で終わっていた。  そこで、我々は、生物に特有の修復機能や増殖機能も考慮した枠組みを作った。そして、最も有名なオークリッジ研究所、ラッセルグループの有名なメガマウス実験をまず再現することに成功した。ここから、「線量率効果」を定量的に求めることもできるし、統一的ピクチャーを描きやすいスケーリング則にデータがよくフィットしていることも確認した。(物理屋が複雑な現象をえいやっと単純化し、そこに法則を発見する1つの例として聴いてくださり、ご批判をいただければ幸いです!) 参考文献: Y. Manabe and M. Bando, "Radiation Exposure Theory: Comparison of data on Mutation Frequencies of Mice", http://arxiv.org/abs/1305.0096 Y. Manabe, K.Ichikawa and M.Bando, et al."A Mathematical Model for Estimating Biological Damage Caused by Radiation" J. Phys. Soc. Jpn. 81,104004 (2012)