Date: December 10, from 16:00
Place: Main Research Building, 213
Lecturer:Yasuhiro Yamaguchi (山口康宏) (大阪大学核物理研究センター)
Title: Exotic baryons from a heavy meson and a nucleon
Abstract:
近年重いフレーバーの領域(チャーム・ボトム領域)では、KEK-BelleやSLAC-Babarを中心に「XYZ」と呼ばれる新粒子の発見が相次いでいる。これらは単純なクォーク模型では説明することが難しいエキゾチックな構造を持っているが、なかでもメソン-反メソンの閾値近傍では、そのメソン-反メソンが緩く束縛した「ハドロン分子状態」とよばれる構造を持った粒子の存在が議論されている。
重いフレーバー領域でこのようなハドロン分子状態が形成される大きな要因として、この領域に現れるヘビークォークスピン対称性とそれにより強調されるパイオン交換力による重要な働きが考えられる。ヘビークォークスピン対称性はヘビークォークの質量m_Qが無限大の極限で現れる。このとき、クォーク間のスピン-スピン力は1/m_Qで抑制されてしまうため、ヘビー擬スカラーメソンとヘビーベクターメソンの質量の縮退が起こる。実際にストレンジネス領域のK*メソンとKメソンの質量差に比べて、ボトム領域のB*とB、チャーム領域のD*とDの質量差は非常に小さい。そのため、ヘビーフレーバー領域では、DD*pi vertexを通して働くパイオン交換力が強調される。パイオン交換力の中でも特にテンソル力と呼ばれる力が強い引力を生み出す事はすでに原子核物理で知られており、ヘビーメソン系でも同様にハドロン分子状態を形成する原動力となることが期待される。
本研究では、パイオン交換力による強い引力に着目し、ヘビーメソンとバリオン(核子)による新たなハドロン分子状態の存在可能性について議論する。ヘビーメソンとして、反DメソンとBメソンを取り扱い、核子との間でクォーク-反クォーク対消滅が起こらない真にエキゾチックな状態(ペンタクォーク状態)を考える。2体系として反DN(BN)状態、そして3体系である反DNN(BNN)状態について束縛・共鳴状態の解析を行い、結果として閾値近傍に多くの状態が現れることを予言した。
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