BTOF-J

Asia/Tokyo
Description

JPS発表準備ミーティング議事録

 

1. 松谷氏:AC-LGADセンサーの時間分解能の温度依存性

 

発表内容

 

ePIC Barrel TOFで使用するAC-LGADセンサーについて、ePICで想定される温度範囲(20–40℃)における時間分解能の温度依存性を評価した。

 

温度と時間分解能の間には +0.43 ± 0.14 ps/K の正の相関が確認され、各種補正を適用した後にも温度依存性が残ることが確認された。

 

温度上昇に伴い信号Amplitudeが低下し、それによってJitterが増加することが時間分解能悪化の主な原因と考えられる。

 

一方、MCP-PMTの時間分解能およびノイズについては明確な温度依存性は確認されていない。

 

レーザー測定との比較

 

ビーム測定とレーザー測定について、Noise、Rise time、Jitter等を比較したところ、各パラメータについて良好な再現性が確認された。

 

一方、時間分解能そのものはビーム測定の方が悪く、ビーム測定ではLandau fluctuationなどの影響が加わっている可能性がある。

 

今後、打点位置を制御可能なレーザー測定を利用することで、時間分解能を構成する各成分をより詳細に分離・評価する。

 

JPS発表に向けた方針

 

* 温度依存性として観測された +0.43 ± 0.14 ps/K を明確に示す。

* 「温度上昇 → Amplitude低下 → Jitter増加 → 時間分解能悪化」という関係を分かりやすく示す。

* レーザー測定を今後の改善・詳細評価の方法として紹介する。

* 学会発表では測定から明確に分かった結果を中心に構成し、未確定の解釈を必要以上に盛り込まない。

 

 

2. 岩槻氏:AC-LGADの位置分解能・電荷量・時間特性評価

 

位置分解能

 

テレスコープから得られるトラック位置とAC-LGADのストリップ情報から再構成した位置を比較し、残差分布から位置分解能を評価している。

 

現状、全体の残差分布から σ = 20.4 μm が得られている。

 

現在の位置再構成では一次の重み付き平均を使用しているが、Amplitudeの二乗を用いた重み付き平均に変更することで、近傍ストリップの小さい信号の寄与を抑え、位置分解能が改善する可能性がある。

 

電荷量・波形解析

 

ストリップに対するヒット位置と電荷量(Q/V)の関係を調べ、位置による波形形状の変化を評価した。

 

現時点では位置による明確な波形の歪みは確認されていない。一方、信号強度には位置依存性が見られる。

 

Jitter解析

 

現在算出されているJitterが 100–250 ps程度と想定より非常に大きいため、その原因を調査する必要がある。

 

Jitterを構成する各量をまとめて見るのではなく、

 

* Rise time

* Amplitude

* Noise RMS

 

を個別に確認し、どの成分が異常値の原因となっているかを特定する。

 

今後の作業

 

* 位置再構成の重みを一次から二乗に変更し、位置分解能を比較する。

* Rise time、Amplitude、Noise RMSの分布をそれぞれ確認する。

* Jitterが100–250 psとなっている原因を特定する。

* JPS発表では位置分解能を主結果とし、電荷量解析・時間特性解析を補足的に示す。

 

 

3. 渡部氏:Barrel TOF支持構造がBIC性能へ与える影響

 

目的

 

Barrel TOFの支持構造による物質量が、下流に設置されるBarrel Imaging Calorimeter(BIC)の性能、特にエネルギー分解能へ与える影響をシミュレーションにより評価した。

 

シミュレーション結果

 

Barrel TOFの支持構造について、Carbon foamやAluminumなど異なる材質を仮定して比較した。

 

現状のシミュレーションでは、支持構造の材質を変更しても、BICのエネルギー分解能に大きな変化は確認されなかった。

 

hpDIRCが既に比較的大きな物質量を持つため、その内側に位置するBarrel TOFの物質量を多少変更しても、エネルギー分解能への影響が小さい可能性がある。

 

発表構成について

 

BICにはエネルギー分解能だけでなく、Imaging performanceやParticle identificationなど複数の性能要求が存在する。

 

そのため発表冒頭でBICに要求される主要性能を整理し、

 

「今回はその中でもエネルギー分解能への影響を評価した」

 

という位置付けを明確にする。

 

また、シミュレーションで得られた具体的な数値が未公開情報に該当する可能性があるため、必要に応じて縦軸を任意単位とし、絶対値ではなく相対的な傾向のみを示す。

 

今後の作業

 

* 鉛など、より重い物質をBarrel TOF支持構造として仮定した追加シミュレーションを行う。

* 物質量を大きく増加させた場合にBICエネルギー分解能への影響が現れるか確認する。

* 将来的にはエネルギー分解能だけでなく、Imaging performanceやPIDへの影響も検討する。

* シミュレーション結果を英語に翻訳し、9月4日のミーティングで発表する。

* 作成したMonte Carlo outputを川辺氏に共有する。

 

 

4. 中野氏:Barrel TOF用長尺FPCの品質評価

 

目的

 

Barrel TOFで使用予定の長尺FPCについて、製造可能な配線幅および銅箔厚を評価し、品質と均一性を確認する。

 

評価対象

 

以下の条件を比較した。

 

* 配線幅:50 / 70 / 100 μm

* 銅箔厚:12 / 18 μm

 

画像解析

 

FPCの撮影画像から配線幅を定量的に評価するため、Machine Learningを利用した画像解析を導入した。

 

画像から配線部分をpixel単位で認識し、画角によるスケール変化の補正やノイズ除去を行った上で配線幅を算出した。

 

配線幅

 

70 μm幅が現状最も有望。

 

18 μm厚FPCでは、測定された配線幅が設計値である約65–70 μmに近く、良好な結果が得られた。

 

一方、12 μm厚FPCでは、設計値より太い 80–90 μm程度となる傾向が確認された。

 

抵抗値

 

12 μm厚と18 μm厚のFPCを比較したが、抵抗値には大きな差は確認されなかった。

 

FPC上の位置依存性

 

12 μm厚FPCでは、FPC両端付近で配線幅がやや細くなる傾向が見られた。

 

一方、18 μm厚FPCでは位置による大きな変化はなく、比較的均一な配線幅が得られていた。

 

線幅とFPC上の位置を対応付けたscatter plotを作成し、位置に対する系統的な偏りが存在するかをさらに確認する。

 

配線間隔の異常

 

18 μm厚FPCについて目視確認を行ったところ、1か所で配線間隔が通常より約 25 μm狭い箇所が確認された。

 

隣接する配線の一方が太く形成されたことで、配線間隔が狭くなった可能性がある。

 

同様の異常が他にも存在するか確認し、異常箇所の発生数とFPC上の位置を調査する。

 

断面評価

 

断面測定では大きな問題は確認されなかった。

 

一方、12 μm厚として製造したFPCについて、実際の銅箔が設計値より約 3 μm厚いことが確認された。

 

今後の作業

 

* FPCの線幅と位置を対応付けたscatter plotを作成する。

* FPC上の位置に対する線幅の系統的な偏りを確認する。

* 18 μm厚FPCで見つかった配線間隔異常について、発生数と位置を特定する。

* 50 / 70 / 100 μmの比較結果を整理し、Barrel TOF用FPCとして適切な設計値を検討する。

 

 

共通事項

 

JPS発表準備

 

2026年9月10日のEIC JapanミーティングでJPS発表練習を実施する。

 

学会発表時間が限られているため、各発表では測定・解析から明確に分かったことを中心に構成する。研究中の項目や解釈が確定していない内容は必要最小限とする。

 

連続講演であっても、それぞれの発表は独立した内容とし、前の発表を聞いていない聴衆にも理解できる最低限のIntroductionを含める。

 

各自の解析結果には、必要に応じて Work in Progress の表記を追加する。

 

その他の日程

 

* 9月4日:理研で高速・多チャンネル回路の仕様について打ち合わせ。

* 9月5日または6日 朝8時:GTOFミーティング。松谷氏、渡部氏が発表。

* 9月10日:EIC JapanミーティングでJPS発表練習。

* 9月14日:日本物理学会で発表。

* 10月1日:広島ワークショップ後に来日予定のZhangbu氏との打ち合わせを調整する。

 

その他のアクション

 

* 八野:Zhangbu氏に連絡し、10月1日の打ち合わせ日程を調整する。

* JPS終了後、Barrel TOF関連の結果をMechanical関連会議等で内部共有する。

* EIC CollaborationとしてのPreliminary data等の公表ルールについて、今後確認・整理する。

There are minutes attached to this event. Show them.
    • 1
      General & Test-Beams
      Speaker: Satoshi Yano (Hiroshima University)
    • 2
      Simulation
      Speakers: Ayuki Watanabe (Tohoku University), Kentaro Kawade (Shinshu University)
    • 3
      Test bench
      Speaker: Kanato Matsutani (Hiroshima University)
    • 4
      FPC
      Speakers: Itaru Nakagawa (RIKEN), Takashi Hachiya (Radiation Laboratory, RIKEN)
    • 5
      DESY ANALYSIS
      Speaker: Koyuki Iwatsuki (Nara Women's University)
    • 6
      Readout Board
      Speaker: Masashi Kaneta (Tohoku University)
    • 7
      KEK and RARiS Analysis
      Speakers: Taichi Egami (University of Tokyo), Taiichi Egami (The University of Tokyo)
    • 8
      Setup for temperature dependence measurement
      Speaker: Tatsuki Saito (Hiroshima University)
    • 9
      AC-LGADの波形について
      Speaker: Yasuyuki Akiba (RIKEN)