Seminars

知の共有ゼミ

by Dr 真也 山田 (玉川高エネルギー宇宙物理研究室)

Asia/Tokyo
203 (RIBF棟小会議室)

203

RIBF棟小会議室

Description
第124回 「高エネルギー宇宙物理研究室 知の共有ゼミ」 のご案内 日時 : 2011年 11月 24日 (木曜日) 15:00から 会場 :RIBF棟会議室203号 講師 : 山田 真也 (玉川高エネルギー宇宙物理研究室) 題目 :ブラックホール連星のX線観測の最先端 概要 :宇宙X線観測は1970年代から始まり、今や、ブラックホール (BH)の最終安定軌道からBH質量を推定することも可能となった (牧島他'00)。残された課題は、BHのスピンを測定し、強重力中に 特有の現象を明らかにすることである。 ブラックホールのスピンを測定するは、降着円盤の熱的スペクトル から推測する方法と、鉄輝線の広がり方を利用する手法がある。 X線衛星「すざく」を用いて、円盤モデルの検証(久保田他'10)、 鉄輝線手法の検証(山田他'10)を行ってきたが、いずれも、スピン を観測から制限するには、まだ不定性が残ることが分かってきた。 一方、ブラックホール特有の激しい変動の研究も進展してきた。 「すざく」衛星によるCygus X-1 の観測に、特殊な時間変動解析 (根来他'95)を用いる事で、時間発展まで含めた「円盤+コロナ」 描像が見えてきた(山田他'11)。 近年、X線観測は次の時代を迎えようとしている。世界最高のエネ ルギー分解能を誇る「Astro-H衛星」と、世界初の偏光観測をめざす 「GEMS衛星」が、2014年に同時期に登場する予定である。両衛星 がもたらすであろう、ブラックホール研究の進展についても紹介する。