Monthly Colloquium

Monthly Colloquium: ナノサイエンスとカーボンナノチューブ

by Prof. Sumio Iijima (Meijo Univ., AIST/NTRC, NEC Co.)

Asia/Tokyo
Nishina Hall

Nishina Hall

Description
【Title】ナノサイエンスとカーボンナノチューブ(Nano Carbon: Science and Applications) 【講演言語】日本語(Language: Japanese) 【Abstract】 科学は「みる」ことからはじまる。自然界に起こるいろいろな現象を「よく」見ること、観察することが大切である。科学史には「みる」ことにこだわり続けた科学者がたくさん登場する。雷、地震、日食、オーロラ、バクテリア、などなど、それらの原因,実体を知らない昔の人々の未知に対する脅威は察するに余りある。科学者はこれらの現象や対象物をよく観察し、データを記録し、分析し、その実態を理解し、ある程度予知も可能にした。さらにそれらの知識を基にして、人間社会に利用する技術を開発し新しい産業を興した。以上、科学者の行為とは、観測(新現象・物質の発見)、分析、考察(原因究明)、予測-理論の構築(モデリングーシミレーション)、検証、結果の公開、と要約できるであろう。 科学の一般論はともかく、科学の現場(各論)はどうなっているか。ここを紹介するのが本講演の目的で、最近注目されているナノサイエンスの一端を紹介する。具体的には、講演者の発見によるカーボンナノチューブ、その発見までの背景、またそれらを観察する手段としての電子顕微鏡の役目、ナノチューブが「ナノメートルサイズの物質」であることに由来する新しい物理現象、その基礎科学としての面白さ、さらに産業応用、特にナノテクノロジー材料としての面白さについて易しい解説を試みる。