Seminars

第128回 知の共有ゼミ

Asia/Tokyo
Description
第128回 「高エネルギー宇宙物理研究室 知の共有ゼミ」 のご案内 ======================================== 日時 : 2012年 9月 6日 (木曜日) 15:00から 会場 : RIBF棟会議室203号室 講師 : 河原 創(首都大学東京 理工学研究科 / 東京都立大学理学研究科 物理学専攻 宇宙物理実験研究室) Hajime Kawahara (Department of Physics, Tokyo Metropolitan University) 題目 : 太陽系外惑星の表層世界をいかに知るか How to know the surface world of exoplanets 概要 : 太陽以外の恒星を回る惑星、太陽系外惑星は、20世紀末の発見以来、 次々と検出されて続けている。近年では、液体の水が表面に存在しうる 惑星が報告されるまでになった。いまや系外惑星は、天文学の一天体と いう枠組みを超え、惑星系の成り立ちや生命の一般性といったより普遍 的な問題に答えうる対象となりつつある。とはいえ、惑星表層の詳細な 観測はまだ非常にチャレンジングである。現在主流の観測は、主星光に 刻まれた惑星シグナルを検出する「間接観測」であり軌道・惑星半径・ 質量以外の性質は、まだほとんど分からない。惑星光を主星光と切り分 け、直に検出する「直接観測」が可能になっても、惑星までが遠すぎて、 惑星表面を直接、空間分解して観測することはほぼ不可能である。  現在、これらの困難を克服し、惑星表層を知るための様々な方法論の 開発が世界的に進められている。セミナーでは、私たちが開発している、 惑星光の時間変動を用いた惑星表面の二次元マップ復元法を中心に、地 球型惑星の大陸・海洋・気象・生命の痕跡、巨大ガス惑星の表面マップ など、系外惑星で惑星科学を行うために必要な知識に今後どうやって迫 ることができるのかをお話ししたい。  また最近、国内の若手を中心に、地球型系外惑星探査のための将来計画 を大型地上望遠鏡・衛星計画両面から真剣に検討し始めたところである。 特に、人工衛星による地球型惑星の直接撮像計画は、現在欧米で提案され ていた計画は無期限延期になるなど、極めて不透明な状況である。地球型 系外惑星は、大きな科学目標と成果が期待できるフロンティアであるにも 関わらず、天文・惑星科学などの分野間の壁や、天文分野のなかでさえ波 長(とむしろそれに付随するコミュニティー)の壁によって遮られている。 この壁を突破し、是非、皆さんの参入を考えていただけるように、国内・ 国際的な状況や事情なども合わせて紹介し、議論をよろしくお願いします。