10–12 Mar 2025
Osaka University Nakanoshima Center
Asia/Tokyo timezone

X線連星における降着円盤風によるX線偏向

11 Mar 2025, 11:45
20m
セミナー室6E+F (Osaka University Nakanoshima Center)

セミナー室6E+F

Osaka University Nakanoshima Center

〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-53

Speaker

Ryota Tomaru (Osaka University)

Description

IXPE衛星によるX線偏光観測はブラックホール降着流の幾何構造について制限をつけることが可能となった。しかし,さらなる詳細な幾何構造を知るためにはコロナや円盤からの偏光に加え,それらの外側に存在する円盤風などのガスによる散乱などの効果を考慮する必要がある。我々は低質量X線連星においてX線放射加熱・加速により円盤の外側で発生する円盤風からの散乱偏光についてモンテカルロ放射輸送シミュレーションによって計算した。散乱されたX線光子は,入射光子の角度分布に依存して最大で約10-20 %の偏光を示すことを明らかにした。さらに、エッジオン方向から観測されるために降着流からの直接光が円盤に遮蔽され、散乱成分が卓越すると考えられる天体V 395 Carについて、IXPEデータとの比較を行った。その結果、観測された偏光特性が本シミュレーションの予測と整合的であることが示され、X線連星において円盤風による散乱が降着流の幾何学的・物理的構造を制約するうえで重要な要因となることを示唆する。

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