Seminars

計算機を活用した固体NMRの解析法

by Dr Shigeki Fujiyama (加藤分子物性研究室)

Asia/Tokyo
203 (RIBF building)

203

RIBF building

Description

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Joint Seminar of the 27th Nuclear Spectroscopy Lab. & Quantum Beam Application Research (B03)

27 回 核分光研 & 新学術領域研究「量子ビーム応用」合同セミナー

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Lecturer: 藤山 茂樹 (加藤分子物性研究室)

Title: 計算機を活用した固体NMRの解析法

Language: Japanese

Date: July 24 (Wed.), 2019, 13:30-

Place: RIBF #203

Abstract: 
固体物質の性質は固体中電子のふるまいにより決定づけられる。電子の運動エネルギー、スピン軌道結合、電子間のクーロン反発力はそれぞれ~eV のエネルギーを有し、結晶化している原子の幾何学的配置により様々な競合をうみ、多彩な電子安定相が実現する。多粒子として存在する水分子が相転移するように、固体の電子相もまた温度や磁場(1E-7~1E-4 eV) や圧力といった外部環境により容易に相転移を示す。この事実は、電子について~eV といった高エネルギーの量さえ入力すれば物性が決定論的に決まる、という楽観を排し、多粒子系であるがゆえに物質の特徴をよく捉えた有効模型と、見通しの良い実験的整理が必要であることを意味する。

固体NMR(MHz 帯, ~1E-8 eV) は数ある物性測定手法の中でもとりわけ低エネルギーの摂動を電子系に印加し、超微細結合を介した原子核の応答から電子の静的・動的情報を導くことを可能とする。超微細ハミルトニアンには電子スピンと結合する接触相互作用や双極子相互作用の他に、d 電子やf 電子を有する原子においては核四重極モーメントと電場勾配の結合項が含まれる。

NMR で測定する周波数シフト、核スピンの縦と横の緩和は全て超微細ハミルトニアンの固有値として観測されるが、固体NMR の長い歴史の中で(ある程度の簡略を認めて) 実験データの解析法は確立している。一方、物性物理学が対象とする物質の構造と電子状態が複雑になるにつれ、従来の解析が通用せず、他の物性測定の結果との定量的に満足のいく比較検討が行われなくなってきている。

我々は最近、実験のみから定量化は困難だが物理的には単純なはずのもの、について計算機を用いた定量化を行うことにより、固体中電子スピンの情報を定量化し、これまでには知られていなかったスピン秩序状態を見出すことに成功した。

固体NMR の解析における計算機の応用は、現段階で汎用性はなく、物質や対象とする物理現象ごとにアプローチを変える必要があり、経験を蓄積していく必要がある。このセミナーでは、分子性導体の量子スピン液体物質近傍の新規スピン秩序状態の話題に加え、電子間にはたらくクーロン反発力の幾何学構造をジグザグ鎖状にし安定電荷秩序状態を阻害するときに現れる電荷の遅い揺らぎを電場勾配の揺らぎとして観測した例をとりあげ、固体NMR の可能性を議論する。また、最近TRIUMF で行われた、β-NMR で8Li+ の打ち込み深さを変化させることによりトポロジカル絶縁体の電子状態を調べたトピックスにも触れたい。

Host laboratory: Nuclear spectroscopy laboratory

Contact person: Minori Tajima (mtajima@riken.jp)

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