ビーム入射ラインのベイズ最適化

28 Nov 2023, 14:55
15m

Speaker

Tomoki Imura (RCNP)

Description

加速器技術は、原子核・素粒子分野の発展を支え、新たな物理現象の探索実験に不可欠である。さらに、医療分野でのがん治療やがん検査用ラジオアイソトープの生成、使用済核燃料廃棄物を減容するためのADS核変換技術など、応用分野においても加速器の期待が高まっている。加速器の広範な応用には、効率的で迅速な運転および制御が不可欠である。
本研究では、ビーム入射ラインの制御に焦点を当て、機械学習を用いて、制御プロセスを最適化し、効率を向上させる手法を研究する。ビーム入射ラインは加速器の中でも重要な部分であり、その最適な制御は加速器の性能向上に寄与する。
ビーム入射ラインは、2つのグレーザーレンズと2つのソレノイドレンズによって構成されている垂直入射ラインを検討対象とする。これら4つの磁場を最適化し、垂直入射ライン終端のサイクロトロン中心部に位置するインフレクター入り口でのビームサイズがインフレクターの口径8 mmφに収まるように調整する。
この研究において、OPAL-TとPythonのGPyOptを使用し、シミュレーション上で機械学習によるビーム調整を模擬する。 OPAL-Tは空間電荷効果を含む計算が可能であり、ビームの動きを詳細にシミュレートする。 そしてGPyOptを利用して、ベイズ最適化を実施し、各磁石の最適な電流値を求め、ビーム輸送を最適化する。
ビームダクトなどの径方向に制限がある状況におけるベイズ最適化のふるまいについて、詳細に調査し、できるだけビームがビームダクトに衝突せずに、最適化を進める手法を模索する。この研究により、加速器技術の応用分野において、効果的な運転と制御を実現することを目指す。

Primary author

Co-authors

Tetsuhiko Yorita (RCNP, Osaka Univ.) Mitsuhiro Fukuda (RCNP, Osaka University) Hiroki Kanda (RCNP, Osaka University) Takafumi Hara (RCNP) Shotaro Matsui (RCNP, Osaka University)

Presentation materials