Speaker
Junya Yoshida
(SRIS, Tohoku-U)
Description
原子核乾板は荷電粒子の飛跡を可視化する厚みを持った写真乾板である。現像した乾板に写った飛跡を光学顕微鏡によって読み取ることで、荷電粒子の通過位置がサブミクロンの空間分解能で計測できる。原子核乾板はその空間分解能を生かし、μmスケールの飛跡しか残さない稀事象:ハイパー核・ダブルハイパー核研究などに利用されてきた。原子核乾板実験の課題の一つは、乾板中から該当の事象をいかに高速に検出するかである。そこで筆者らは、網羅的に撮影した乾板の顕微鏡画像から、ハイパー核・ダブルハイパー核の生成・崩壊事象の作る特徴的な形状の飛跡を検出するべく、機械学習ベースの画像処理法を開発した。本発表では開発の経緯・J-PARC E07実験の乾板に対する解析の現状・今後の展望について紹介する。また筆者は現在、放射光科学に携わっており、分野を横断した新研究領域を開拓したいと考えているが、この試みにおける機械学習の活用の可能性についても議論したい。
Primary author
Junya Yoshida
(SRIS, Tohoku-U)