Lecture series

Baryonic Matter and Neutron Stars X-1 (高塚 龍之)

by Prof. emeritus T. Takatsuka (Iwate University)

Asia/Tokyo
Nishina Hall (RIKEN Wako)

Nishina Hall

RIKEN Wako

Description
Course X:Baryonic Matter and Neutron Stars Lecturer: Prof. emeritus T. Takatsuka (Iwate U) Date: January 10th (Thu), 2013 The lecture will be given in Japanese. 原子核物理学連続講義 コース X-1 "Baryonic Matter and Neutron Stars"               講師:高塚 龍之 氏(岩手大) Prof. emeritus T. Takatsuka (Iwate U) 会場:仁科記念棟2F 仁科ホール 日時:2013年01月10日(木)13時30分~17時 January 31st (Tue): 13:30-15:00, 15:30-17:00 Nishina Hall      1コマ目 13時30分~15時      休  憩      2コマ目 15時30分~17時 * These lectures will be given in Japanese. Abstract:  1967年の夏、周期1.337秒で規則正しく電波を発する源が発見され“パルサー”と呼ばれるようになった。これが何かをめぐっては宇宙人からの交信説まで含む様々な論争があったが、2年後、その正体はそれまで幻の天体と考えられてきた中性子星であることが判明した。中性子星は質量が太陽質量と同程度でありながら、その半径はおよそ10kmと極端にコンパクトであり、中心密度は原子核密度の10倍にも達する。地上で得られた核物理の知見は、巨大な原子核ともいうべき天上の中性子星を理解する上で不可欠であるが、逆に中性子星の観測が実験室では得難い情報をもたらし、核物理の進展を促すというフィードバック効果もある。  従来、原子核密度を超える内部領域、即ち、中性子星コアはnを主成分とし 数%のp、そして荷電中性を保障するe^―とμ^―、これらで構成されるというのがスタンダードであった。しかし、近年はn、pという核子成分に加えて、ストレンジネスをもつハイペロン(Y)が構成成分として参画し重要な役割をもつことが明らかとなった。今や中性子星はn、p、Y,e^―、μ^―から成るという立場が新スタンダードである。講義のタイトルとしてNuclear Matter でなくBaryonicMatterとしているのはこのことを強く意識するためである。  この連続講義では「バリオン物質と中性子星」という観点から密度変化に伴ってどのようなバリオン相(ハドロン相)が中性子星内部に出現するかについて考える。特に、自身が取り組んできた「超流動」「π凝縮」「Y混在」の3テーマに焦点を定め、これらの相が中性子星現象にどう顔を出すか、中性子星は何を教えているかを議論する。第一回講義では、中性子星の発見、プロフィールと構造、核力と中性子星物質の概説を導入部分とした後、まず1つ目のテーマ、「超流動」の問題を採りあげる。そこでは、中性子星コアで初めて可能性が指摘されその後物性系で発見された新しい型の超流動、P状態(^3P_2-^3F_2)超流動を1つのハイライトとし、角運動量がゼロでないペアリングに照応したBCS-Bogoliubov 理論の一般化、中性子星クラストでの超流動、そしてパルサーグリッチ現象との絡み等を議論する。また、テンソル結合効果が支配するn-pペアリングの問題についても言及する。第2回では「π凝縮」、第3回では「Y混在」及び2倍太陽質量星の発見と関係するクォーク物質コアの問題などを話題にする予定である。 第2回講義 コース X-2 最近の原子核連続講義一覧  講義映像(Streaming Video)
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