Kouichi Hagino
(Department of Physics, Kyoto University)
17/02/2023, 15:00
Norihiro Hizawa
(Kyoto University)
17/02/2023, 16:10
近年、量子コンピューターをはじめとした様々な分野において、量子もつれに関する研究が盛んに行われている。強相関量子多体系である原子核においても、量子もつれは非常に興味深い研究対象である。特に自発核分裂は複雑な量子トンネル現象により引き起こされると考えられているため、適切な系の分割を行えば、核分裂後の波動関数は高度に量子もつれを引き起こしていると期待される。そこでJAEAの提供している核分裂収率のデータを用いて、大胆な近似のもと核分裂後の波動関数に対するエンタングルメントエントロピーを見積もったところ、自発核分裂と誘起核分裂において異なる振る舞いが見られた。本講演では核分裂におけるエンタングルメントエントロピーの考え方を提示すると共に、結果の解釈に関して論じる。