[趣旨]
星の進化や爆発現象において、核反応は主要なエネルギー源であり、ここで起こる元素変換は宇宙の物質進化の歴史を理解する上で重要である。爆発天体での元素合成では不安定核が関わるため、その解明にRIBF実験の役割は大きい。しかし、宇宙の元素合成では膨大な種類の反応が関与するため、実験計画の策定には現実の天体環境でのそれぞれの反応の役割を理解する必要がある。また、断面積の小さい反応も含むことから、その包括的な解明には理論計算も必要となる。
本会では、超新星爆発やX線バーストでの爆発的元素合成(速い陽子捕獲元素合成を含む)に着目し、軽めの不安定核から特に鉄より重い陽子過剰核まで、宇宙物理の研究で重要な核反応について、現状の原子核実験や理論の知見に基づいて将来の実験計画の方向性を議論する。
- 不安定核を含む原子核の構造や反応機構
- 星の燃焼過程や爆発天体での元素合成に関する天体核反応
[日時]
- 日程:2023年2月20日(月)と21日(火)
- 場所:理化学研究所仁科センター・RIBF棟(大会議室)
ご注意:研究会に日程の両日共に、食堂が工事により休業する予定です。食堂や売店、タリーズコーヒーにて弁当等の販売が予定されておりますが、数に限りがあります。当日は、各自お持ちいただくか、外食に行かれるかも選択肢に加えいていただければと思います。(昼食時間を長めにとっております。)
[主要講演者とテーマ]
- 岩切 渉(千葉大):「最近のさまざまなX線バーストの観測結果について」
- 川畑 貴裕(大阪大):「Experimental determination of the triple-alpha rate」
- 鈴木 大介(理研):「RIビームをいた高速陽子捕獲過程研究」
- 高橋 亘(東北大):星の進化での元素合成
- 谷口 億宇(香川高専):「12C+12C Molecular Resonances that Enhance the 12C+12C Fusion Reaction Rate」
- 土肥 明(広島大):「X線スーパーバーストに対する炭素燃焼の核反応率の影響」
- 西村 信哉(理研):「宇宙におけるp核の起源と陽子過剰核の核反応」
- 山口 英斉(東京大・CNS):「X線バーストにおける重要不安定核反応の実験的検証」
[世話人]
- 鈴木 大介(理化学研究所・RNC)
- 谷口 億宇(香川高等専門学校)
- 土肥 明(広島大学)
- 西村 信哉(理化学研究所・CPR)