Conveners
Cluster structure
- Takuma Matsumoto (Kyushu University)
Dr
Tadahiro Suhara
(Matsue college of technology)
02/08/2017, 09:30
招待講演
ホイル状態が凝縮構造によって理解できることが提案されて以来なされた様々な研究によって、凝縮構造の考え方がより多くの状態に適用できることが明らかになってきた。例えば12Cの10MeV程度の励起状態に現れると考えられているリニアチェイン構造も、非常に大きくプロレート変形した平均場の中でαクラスターが凝縮しているという描像に立って理解できる。また、非4N核で考えると、例えば11Bや10Beで凝縮構造に類似した構造が提案されている。一方で、14Cではそのような構造は提案されていない。これは原子核を構成するクラスター自体の変形度に関係すると考えられる。これらの点について議論したい。
Mr
Tomoyuki Baba
(Hokkaido University)
02/08/2017, 10:10
招待講演
1950年代に3つアルファ粒子による直鎖クラスター配位が提唱されて以来、その極めて高い変形度や特異なクラスター構造が興味をもたれ、直鎖クラスター構造の存在可能性や性質が多くの理論によって調べられてきた。現在、炭素同位体における直鎖クラスター状態の研究は中性子過剰核において為されており、余剰中性子の存在によって直鎖クラスター構造の安定化する可能性が示唆されている。また、最近、14Cにおいて4He+10Beの共鳴状態が相次いで観測されており、反対称化分子動力学(AMD)において予測されている直鎖クラスター状態の励起エネルギーおよびアルファ崩壊幅とよく一致している。
そこで、本発表では、AMDを用いて14Cや16Cに対して励起エネルギーおよびアルファ崩壊幅、6He崩壊幅を求め、14Cでは実験で得られた共鳴状態との比較を、16Cでは今後の実験の指標となる予言を行う。