31 July 2017 to 2 August 2017
理研神戸・融合連携イノベーション推進棟
Asia/Tokyo timezone

現実的核力に基づく核物質状態方程式の研究と今後の課題

1 Aug 2017, 11:30
40m
8階講堂 (理研神戸・融合連携イノベーション推進棟)

8階講堂

理研神戸・融合連携イノベーション推進棟

Speaker

Dr Hajime Togashi (RIKEN)

Description

中性子星や超新星爆発(SN)などの高密度天体の研究において、核物質の状態方程式(EOS)は重要な役割を果たす。特に重力崩壊型SNでは、鉄コアの重力崩壊後、外向きの衝撃波発生のきっかけは星の中心部に形成された一様核物質の硬さであり、この一様核物質の硬さは有限温度核物質のEOSによって決まる。ところが、SNシミュレーションでは広範囲の密度、温度、陽子混在度に対する核物質の熱力学量が必要となるため、その作成は困難であり、シミュレーションに適用可能なEOS(SN-EOS)の数は限られている。さらに、これまでに提案されてきたSN-EOSは、すべて一様核物質相が現象論的な模型に基づいて作成されており、現実的な核力に基づいた核物質EOSがSNシミュレーションに適用された例はなかった。  このような現状を踏まえ、本研究では現実的核力から出発した多体変分計算に基づいて、新しいSN-EOSを構築した。本講演では、この新しいSN-EOSの特徴を議論するとともに、構築したEOSデータテーブルを用いた中性子星の構造計算や、実際のSNシミュレーションの結果も報告する。さらに、高密度領域におけるハイペロン混合がこれらの高密度天体に与える影響についても、併せて議論することを予定している。

Primary author

Dr Hajime Togashi (RIKEN)

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